
船舶の炎上事故を調べていた捜査官クラインは尋問していたヴァーバルから奇妙な話を聞かされる。6週間前に銃器強奪事件の容疑者として集められた5人が、釈放後、協力して宝石強奪を決行。ブツをさばくためにLAの故買屋と接触した5人は、そこで新たなヤマを依頼されるが、宝石と聞かされていた獲物は麻薬で、トラブルから相手を射殺してしまう。そして恐慌状態の彼らの前に、伝説のギャング“カイザー・ソゼ”の右腕と名乗る弁護士が現れたというのだ。
配信で観た。何も知らない状態で再生した。それが正解だった。この映画について事前に何か知っている人間は、それだけで損をしている。
5人の犯罪者が警察の面通しで集められる。そこから始まる犯罪劇。誰が嘘をついていて、誰が本当のことを言っているのか。観ている間ずっと、地面がぐらぐらしているような感覚があった。
カイザー・ソゼという名前。映画の中で何度も囁かれるその名前が、都市伝説のように物語全体に影を落としている。実在するのか、しないのか。一人の人間なのか、概念なのか。あの不確かさが、画面に独特の緊張感を生んでいた。
ケヴィン・スペイシーのヴァーバル・キント。足を引きずる小柄な詐欺師。弱々しくて、饒舌で、どこか憎めない。彼が語る物語に、刑事も観客も引き込まれていく。あの語り口の巧さ。聞いているうちに、何が事実で何が作り話なのか、境界が溶けていく。
ラスト5分。あの展開を初見で食らった衝撃は、今でも鮮明だ。コーヒーカップが落ちる。掲示板の文字。足取りが変わる。全てのピースが一瞬で組み変わって、観ていた映画が丸ごと別の意味を持ち始める。あの瞬間、声が出た。思わず巻き戻して最初から見直した。二度目は完全に違う映画に見えた。
「このトリック、一回しか効かないだろう」と言う人もいるだろう。でも違う。騙された後にもう一度観ると、至るところに伏線が仕込まれていて、また別の発見がある。何度でも観られる。何度でも感心する。脚本の力だけで映画史に名を残した、稀有な一本だった。
定額配信
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Google Play Movies脚本
クリストファー・マッカリー
音楽
John Ottman
上映時間
1時間45分
ステータス
Released
公開日
1995-07-19
日本公開日
1996-04-13
予算
約9.0億円($6M)
興行収入
約35.0億円($23M)
製作国
アメリカ
制作会社
Bad Hat Harry Productions, Blue Parrot Productions